@itacchikuのTVはきだしのひきだし

TVドラマ(主に海外)を中心にあれやこれやと。ネタバレありありです。

「半分、青い」は少女漫画でいてほしかった

どうも、朝ドラウォッチャーです。
普段はツイッターNHK連続テレビ小説こと朝ドラについてのあれそれを時々垂れ流していたのですけど、ちょっと今期の朝ドラの展開があまりにあんまりなので勢いに任せて記事を一本書くことにしました。


ツイッターでお付き合いのある方はもうご存知だと思うんですが

ってことでおねがいします。


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まず、朝ドラにあまり馴染みのない人へ雑な解説をさせてもらいますと、
朝ドラというのは大概、田舎在住のヒロインが特定の職業をめざし都会に行って頑張る姿を通じて女性の半生を描く話が基本です。

2018年度上半期の朝ドラ「半分、青い」でも、ヒロイン鈴愛は少女漫画家を夢見て上京し、人気少女漫画家である秋風羽織に弟子入り。漫画家としての成長を描いています。

朝ドラというのは、各作品ともそんな基本形は守りつつもそれぞれのカラーがあります。「半分、青い」の場合の大きな特徴は、特にヒロインと幼馴染との関係性が少女漫画的であることでした。

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【「半分、青い」の超雑恋愛パートあらすじ その1】

スタート:同じ日に同じ病院で生まれた幼馴染設定のヒロイン鈴愛と律

子供時代:ずっと一緒に過ごし、お互いが一番の理解者
(※鈴愛がおたふく風邪から片耳難聴になったときも、一番の支えになったのが律)

高校時代:近すぎて意識できない二人

上京時代①:それぞれに別の恋人ができたことでお互いの関係を意識する二人

 

少女漫画をテーマにし、少女漫画でありがちなヒロインと幼馴染の微妙な関係。
ナレーションや登場人物が突然メタ視点を挟んできたりという、一昔前の漫画っぽい小ネタが何度も登場し、そして随所には少女漫画的な演出が!

  • 高校時代、鈴愛の人生初デートにアドバイスをしながらもなんとなく気持ちの落ち込む律
  • 濡れた鈴愛のスカートを跪いてそっと拭いた律にドキドキする鈴愛
  • 二人の微妙な関係を温かく見守る幼馴染仲間達

ぜんぶ少女漫画的キュンキュンなやつ!ニヤニヤしてしまうやつ!

 

そしてさらに上京してからも二人の関係は続きます。

  • 親の画策により徒歩数分の距離の住居
  • 偶然(必然)の再会
  • 彼女ができても、鈴愛のことも大事にしてしまい彼女を嫉妬の鬼にしてしまう律
  • 律の友人まーくんが鈴愛を振ったことにキレる律
  • 失恋に落ちこむ鈴愛をそばで支える律

ああ、もう!視聴者であるトウの立った少女達には眩しすぎもどかしすぎで
朝から直視できないやつ!ハイ、悶絶!!

展開的には、ヒロインや幼馴染に都合良すぎでは…周りがかわいそうすぎないか(特に律の彼女とか)…もあったんですけど、そのへんは目をつぶりましょう。
少女漫画では得てしてそういう事はあるもんだ。

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【「半分、青い」の超雑恋愛パートあらすじ その2】
上京時代②:すれ違いにより、一旦別々の道をいくことになる二人

4年ぶりの再開:律が鈴愛に突然のプロポーズ「結婚しないか」

 

そしてそして、一筋縄ではいかないのも少女漫画の恋。

  • ふたりはすれ違いから長い間距離を置くことに。
  • 離れて気づくお互いの大きさ大切さ。そして数年ぶりの再会。
  • 変わらないようで微妙な気持ちの揺れる二人の会話。
  • そして律からの突然のプロポーズ「結婚しないか」…

うぉおおおおお!!!盛り上がる視聴者!!ついにきた!!
これを待ってた!イエス!律!!
ちょっと唐突だけど、ごちそうさまです!律!!

最高の盛り上げです。テンションアゲアゲ、視聴者ドキドキ!
さあ、返事はどうなる鈴愛!

…っていうのが、今週の月曜日までの話でした。
ここまでは最高でした。ここまでは。ここまでは。

 ◇

【「半分、青い」の超雑恋愛パートあらすじ その3】

そして4年後(ん?

鈴愛「仕事を優先せずあのとき結婚しておけば」(あー、まだすれ違うのね。

律からのはがき「結婚しました」(えっ?

大阪に住む律の新婚新居に凸する鈴愛、律の結婚相手とご対面(ストーカー!?昼ドラ?レディコミ?

友人や恩師相手に暴言を吐き暴れる完全に目のイッているヒロイン鈴愛…(ホラー…

 

「 半分、青い」は漫画をテーマにした作品でした。
ヒロインが漫画家を目指し、ドラマ内では漫画的な演出を繰り返し、少女漫画的な展開でここまできていたのに、なぜ!ここで!唐突に!しかもたった一週間でこんな事になったのか。

少女漫画だと思って毎朝キュンキュン楽しくみていた作品が、
実はレディコミだった…とおもったら、さらにホラー漫画だったという。
急展開すぎて完全に置いてけぼりです。

脚本家自ら、今日の回を神回発言していらっしゃいます。


確かに、今日は神回でした。ヒロイン役の永野芽郁ちゃんの演技は抜群だった。
特にあの完全に狂った目、表情、涙…すべてが神がかっていた。
だからこそ余計怖い。完全にホラー。
律を背中から果物ナイフでブサっとやって血まみれになっていても全くおかしくない表情。さながらサスペンス。


一体、我々はいままで何をみせられていたのか。
鈴愛と律とはなんだったのか…。

 

もちろんまだドラマは続くし、二人がまた寄り添う可能性がないわけではないと思うんですが、ここで大事なのは過程です。
現実世界ではともかく、少女漫画にとって結婚はゴールで聖域です。
途中、ふたりが離れ離れになっても、誰と付き合っても、結婚だけは別枠お取り置き。
長く続いた少女漫画の連載作品の最終巻がウェディングドレスというのは定番です。
律が他の誰かと結婚してしまったことで、この少女漫画的純潔エンドはなくなってしまった…。

レディコミにはレディコミの面白さがあり、ホラーにはホラーの良さがありますね。
どれが上とかではありません。さらに、結婚をエンドに設定しなかったのは、女性の半生を描いてきた朝ドラ的とも言えるのかもしれません。

でも、ここまでさんざん少女漫画的に視聴者を煽ってきた「半分、青い」には、最後まで少女漫画でいてほしかった。律とのハッピーエンドが見たかった。
最終回はウェディングドレスで締めてほしかった。
(それに、半生にするにしてももうちょっといろいろあったと思うぞ…)

ああ、ここまで書いて思うのは、私の感想だいぶキモい…。
純潔エンドとか言い出すあたり、半分どころか全部キモい…。
でもここまでの二人の関係が丁寧に描かれてきただけに、もう残念すぎるんです。

2018年上半期朝ドラ、お疲れ様でした。

さよならミーガンハント(ボディ・オブ・プルーフがBONESを越えられなかったワケ)

ボディ・オブ・プルーフがついにS3でキャンセルになりましたね~。
復活の噂もささやかれていたようですが、結局再帰出来ず。
残念無念。

BONESを超えたとの触れ込みで、滑り出しは好調だったのに
蓋を開けてみればS2では視聴率はだだ下がり。
S3でメンバーを大幅チェンジしたにもかかわらず結局シーズン半ばで終了を迎えてしまったボディ・オブ・プルーフ
いまもしつこいくらいに続くBONES(この記事の時点でS11の更新が決まっています)とはどこで差がついたのか。
個人的考察と感想をまとめてみました。
以下ストーリー上の大きなネタバレは無いです。

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クリミナル・マインドS3の途中までみたので感想を書くよ

以前、S1の途中で毎回巻き起こる事件のグロさに心が折れてリタイアしたクリミナル・マインド。
リトライしてみて、すっかりはまりました。
(子どもが被害者になる話は相変わらずウヘェですけど。)


さてさて、以下猛烈ネタバレです。

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ブレイキング・バッドを完走した感想とやらを。(超ネタバレ)

年末年始の一挙放送を録画だけして放置していたブレイキング・バッド
このたびシーズン1からシーズン5まで完走しましたので感想メモ。

ツイッターに投下するには何を言ってもネタバレにしかならず
まだ視聴途中のフォロワーさんも多いのでこっちに書きます。
こんな時のためにとっておいたはてなブログが役に立つ日がきたわあ(笑)

 

ラストを一言で表すなら
「ああ、ジェシージェシージェシー!!」でした。
もう一回言いたい。
ジェシージェシージェシー!!ジェシー!!」

元々主人公が悪に走るパターンのストーリーは私は好きではないので
いまいち視聴には及び腰ではあったんですけど
見て良かったです。ラストであんなに泣かされるとは。
やっぱりウォルターに感情移入するようなことは最後までなかったので
自分ではなぜ泣けたのかはよくわからないんですが
ただもうひたすら哀しいなぁ、哀しいなぁ…と。
ずっとウォルターが地獄に堕ちるのはまだかまだかと首を長くしながら見てたのに
いざその瞬間がきても、ちっともスッキリなんてしなくて
ひたすら虚しく哀しいだけという。

シーズン5の中盤で、ハンクがついに真実に気づいたあたりから
私の気持ちは「よっしゃー!いけいけハンクー!!」だったんですよ。
途中、Jr.のセリフで「『伝説の密売人を逮捕するとき、そこには名も残らない捜査員達がいる』ってハンク叔父さんに教えてもらった(超うろ覚え)」ってのがあったので
私はきっと、最後はハンクが捕まえるのだと思っておりました。
これは実はハンクの物語なんだと。そういうオチなんだと。
なので、ハンク(&ゴメス)の最後のシーンはもうリアルで
「ギャーーー!!」
と叫んだのでした。しばらく放心状態で、頭抱えてなんてこった…と。

そしてあそこからの怒涛の転落っぷりはすごかったですね。
あれ以上悪いことなんてないと思ってたけど
いやいや、もう本当に容赦なく全ての最悪が降り注ぎましたね。
日本語おかしいけど。
タイトル通りこのドラマはとにかく悪に突き進むのだと悟りました。
この製作陣は生ぬるい終わりにはしねえぞ、という(笑)

私はなんだかんだいってジェシーが好きでしたね~。
ジェシーは社会的にはアウトな悪さをたくさんしましたが
でも彼の芯の部分は結局最後まで完全に悪には突き進めなかった。
それがウォルターとは対照的で、感情移入もしやすかったのかなと思います。
なので、ジェシーが辛い目にあうたびに
「ああジェシー。かわいいジェシー、なんてことなのジェシー。」
ってテンションで見てたんですが、ラストはそれが極まりましたね。
そして、この記事の冒頭にもある「ジェシージェシージェシー!!」となったと(笑)

このドラマを通して感じるのは
すべて製作陣にまんまとしてやられたなぁということです。
ここまで書いてきた、視聴者である私の
ウォルターに対する「地獄へ堕ちろ」という感情も
「いけいけハンクー!」も
ジェシー可愛いよジェシー」というのも
全部そうなるように仕組まれた流れだったなぁと。
ラストのひたすら虚しく哀しい締めも、主人公が悪堕ちするストーリーでは
ある種のお約束的なオチではあるんですが
そういうい製作陣の計算に気持よく乗っかっていけたという意味でも
とてもいいドラマだったと思います。

それにしてもシーズン5のpart2の流れは本当に素晴らしかったですね。
最後まで失速することなく、このシリーズの中では一番の盛り上がりを持って
駆け抜けた。
こんなに、終わってからホッとするドラマも珍しい。
気に入ってみていたドラマの終わりはいつも寂しくなるものですが
ブレイキング・バッドに関しては、もうおかわりはいいです。
もっと見たいとは思わない。満足です。
(そう思わせるのも本当にすごい)

ジェシーはあの後どうしたのでしょうね。
アラスカで流行らない酒場の店主にでもなるんでしょうか。
また荒んだ生活を送るんでしょうか。
それともすべてを証言したかも?いや、それはないかな…。
可愛いジェシーのその後は悶々と想像しておきます(笑)

あ、あと、「おかわりはもういい」と書きましたが
スピンオフであるソウル・グッドマンが主役の「ベター・コール・ソウル」は
楽しみにしてまっす♡